最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)1377 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人関原勇の上告理由第一点について。
論旨は、原審が、被上告人が原審においてはじめて申し立てた予備的請求を認容
する判決をしたのは、当事者の審級の利益を奪つたものであつて、憲法七六条並に
裁判所法の規定に照らして違法である、という。しかし、所論の場合に当事者の審
級の利益を奪う違法の存しないことは、昭和二二年(れ)第一八八号、同二三年七
月七日大法廷判決(集二巻八号八〇一頁)の趣旨に照らして明らかであるから、論
旨は採用できない。
同第二点について。
原審の確定した事実関係のもとでは、被上告人が本件建物につき六分の一の共有
持分権を有することは明らかであつて、右持分権の確認並びに上告人に対し被上告
人のため右建物につき六分の一の共有持分権の移転登記手続をすべき旨を命じた原
判決は正当である。所論は理由不備の違法を主張するけれども、原判決を正解せず
独自の見解にもとづいてこれを非難するものであつて、採用することはできない。
同第三点について。
原審が挙示の証拠により、昭和二五年七月四日上告人と被上告人との間で本件建
物につき代金一万円で売買契約が締結された事実を認定したからといつて、所論の
ように経験則に反するものとはいえない。論旨は採用することができない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
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裁判長裁判官 池 田 克
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
裁判官 山 田 作 之 助
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